ジュニアなソフトウェアエンジニアのキャリア構築

どなたかのお役に立てばと思い書くことにしました。

私が未経験でジュニアなエンジニアであるという社会的評価が付与されている時に実施した最初のことは、自分が尊敬している実在のエンジニア(20人程度)の履歴書や職務経歴書と、自分の経歴書や職務経歴書を比較することでした。

そして、その様なエンジニア達が公開している日記やブログを最初から最新まで読み返しました。そのうち何人かは、自分と同じジュニアな段階からの経験を公開してくれていました。その中から自分でも楽しくできそうなことを試しにやってみる、という方法で模倣を試みました。

着手する根拠が主観的では無いため、自分と合わなかったり続かなかったりすることも沢山ありました。しかし、3年くらい続けると、だんだんと続けられるものを見つけられました。

並行して基礎的な本を本当にたくさん読みました。例えば普通は通読するのが難しい分厚さで、基礎的とはいえ個人で理解する難易度が高く分厚い本を読みました。ジャンルは自分が好きで、その分野の技術者になりたいと思う分野の本でした。その様な本を会社の同僚や、社外のエンジニアと一緒に何年もかけて少しずつ読んでいきました。

苦手な分野は小学生の問題集からやり直しました。もちろん小学生分野は一瞬でした。他方で線形代数や微分積分は、他の様々なことと並行でしたので、それぞれ一年以上かかってしまいました。

プログラミングについては、闇雲にプログラミングを練習するのでは無く、自分が所属している会社の職位表を眺めました。そして、自分の職位の上や、上の上は何が違うと定義されているのかを確認しました。職位が上の社員の出す成果と、自分の成果を比較して、より良い成果を出す社員の日報を読み漁りました。

そうする中で、自身が模倣することで現状の自分よりも上の職位の社員に求められる成果を出せそうな範囲を見つけていきました。

合わせて、自分より上の職位の社員に「この仕事はどの様なきっかけで取り組み始め、実施中はどの様なことに注意を払い、そしてどの様にアウトプットしたのか」ということを一度に質問せず、段階的に質問して理解を深めたり自分でも試してみたりを繰り返していきました。

そうしていく中で、自身の職務経歴書や履歴書に少しずつ足していける内容ができて、結果として採用してくださった方から見た時に縁が発生している状態になっていた様に思います。(当時の自分が主観的に認識できたわけではありません)

私は上記の個人的な経験から、真面目に研究室で同僚と共に研究をすることは、インターンを渡り歩くことと同じかそれ以上に効果があるのでは無いかと考えています。上記で示した私の社会人経験と同じ様なことが、大学の研究室でも起きていたからです。

現代は生成AIが普及したため、周囲にいる人間に恵まれていない場合でも、本当の人間以上のメンター的な役割をAIがしてくれる分野が多いと思います。(不可能な分野もあるとおもいます)

個人的には、採用に向けたエンジニア間の競争が本当に激化しているのかについては疑問があります。なぜなら採用側からすると応募が少なすぎる、という認識を持っている企業がたくさんあるからです。

応募が少なすぎて困っている企業は、最近だと学会の年次大会などでスポンサーをやっています。

もちろん目立つ会社の目立つ採用枠は限られています。また、例えば今ゼロからAI系の技術者に転向したいと考えた場合にはやるべきことが多すぎますよね。

他方で、エンジニアの採用枠についてはその数が毎年上下します。多い年は本当に多いです。今だとAI応用ができるエンジニアへの要求は多すぎる状況です。過去にはDXエンジニア、データサイエンティスト、並列分散処理エンジニアなどに市場にいる専門家の数を遥かに上回る要求がありました。

またその様な技術ブームとは関係ない要求はプログラミング言語を軸としたコミュニティで可視化されていると思います。好きな言語のカンファレンスで何年も取り上げられている技術要素は、その言語界隈で要求が強いことを示しています。それらの中から自分が身につける価値があると感じられる技術を選ぶことができます。

現代は生成AIのAPIがたくさん存在していますので、それらを使ってたくさんのアプリケーションを作り、誰かの役に立つものを作ってバズるまで作り続けることも良い経験になって、キャリア構築を後押ししてくれます。

ここまで全てのことを短期間で実施することは難しいと思いますが、3年以上の期間の中でどれか一つでも実施することは、やらないことでは無いのではと思います。そして、何が一つできた人は、新しい別の何かを一つできると思います。

自分が望むキャリアを構築するには上記のことを実施するだけでは全然足らないのですが、入り口までは行けるのでは無いかと思います。

もっと賢く効率よく入り口に行く方法もありますので、他の方のブログや書籍をたくさんお読みになることをオススメいたします。

気がついたことがあったら追加したり、整頓したりします。

初稿: 2025-03-22

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